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第6回大阪男女協働推進連携会議を開催しました

本事業では、大学や研究機関、企業の壁を超えて、女性研究者及び技術者を育成するため、関西に拠点を置く企業・研究機関と産学官連携を基盤とする「女性研究者循環型育成クラスター」を形成し、今では30機関を数えるまでに拡大しています。
令和2年7月6日(月)15時30分~16時50分に、本事業の実施機関である大阪大学、医薬基盤・健康・栄養研究所、ダイキン工業株式会社(以下、ダイキン工業)と、協力機関として参画いただいている企業・研究機関等で構成された大阪男女協働推進連携会議の第6回会議を大阪大学中之島センター 佐治敬三メモリアルホールにて開催しました。本事業の活動実績や今後の取組や計画について、活発な意見交換や情報共有が行われました。

会議の冒頭で、今回より新たに参画いただいた協力機関(三洋化成工業株式会社、カワソーテクセル株式会社、大塚産業マテリアル株式会社[参画順])を紹介した後、議長であり本事業の実施責任者である工藤眞由美理事・副学長から、活動実績と今後の計画について説明をしました。まず、昨年度からの新たな取組として、女子大学院生と企業の社員がともに受講する教育プログラム『女性エンジニアリーダー育成プログラム』と『育休中キャリアアップ支援プログラム』を共同実施機関であるダイキン工業とともに試行・実施し、今年度は協力機関数社にも参画いただき実施することを報告しました。この先駆的な産学共創教育事業は大変評判で、多くのメディアで取り挙げられたことも報告しました。また、昨年11月に実施した「女子大学院生と企業等との交流会」について、参加した双方ともに大変好評であったこと、今年度はコロナ新時代に対応してオンラインで開催し、企業等の研究者の方々とも交流できる形で実施することを説明しました。加えて、昨年度に引き続き本事業におけるセミナーを開催することも共有しました。今後は全国初となるこの産学共創教育事業を継続・発展させ、全国のモデルとなる「阪大方式産学共創教育事業」を実施していくことを紹介しました。

続いて、共同実施機関と協力機関による事例発表がありました。ダイキン工業 人事本部ダイバーシティ推進グループ担当課長の野間友惠氏からは、本学と試行・実施した産学共創教育事業について、社内の課題であった若手女性技術系リーダーの育成や育児休暇中の社員の育成を目的に本事業を実施した経緯と、企業側の観点から実施の効果や成果が紹介されました。受講者からは「リーダーシップは自分の強み・弱みを知り、そのうえで役割や個性を発揮することだとわかった」「普段は目の前の業務に追われている中、女子大学院生や他部門の社員とのディスカッションを通して刺激を受けた」「学生と一緒に学び、彼らの柔軟な考え方に触れて、視野が拡がった」「大学の一時預かりを利用し、育児から離れ、人との繋がりを持つことで復職へのモチベーションに繋がった」など前向きな意見が多く得られたことを紹介。大阪大学との連携は、民間の研修会社では決して提供できない最先端の技術や知識の機会を通して視野の広がりや視座の高まりを得ることができ、社内だけで実施できていなかった課題に対応することで人材育成と意識改革に繋がるという成果が伝えられました。

次に、シスメックス株式会社 上席執行役員 中央研究所長兼MR事業推進室長の吉田智一氏から「ウィズコロナ時代のダイバーシティ」をテーマに事例発表がありました。コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について、感染拡大防止のためにテレワークを推奨して全従業員の約65%が利用したり、オフピーク出勤やオンライン会議を推進・実施したりするなど、多様な働き方への変化をもたらした一方で、テレワークの労働実態把握やセキュリティ、また外国籍社員とのコミュニケーションや感染防止行動の周知など、様々な課題が新たに見えてきたことが紹介されました。

また意見交換の時間では、今後の産学共創教育事業の計画と今年度オンラインで開催する女子大学院生との交流会について説明し、大学や研究機関、企業の壁を越えて女性リーダーの育成と裾野拡大を行う阪大方式の各プログラムへの理解と参加を協力機関へ呼びかけ、会議は閉会しました。