NEWS & TOPICS

大阪大学女性大学院生交流会優秀発表賞の表彰式を行いました

本学では、女性大学院生の育成、研究力向上及び博士後期課程への進学後押しを目的に、本事業の共同実施機関・協力機関の企業や研究機関との連携により、理系女性大学院生と企業等との交流会を開催し、優れた研究発表を行った女性大学院生に、これからの研究活動や研究者を志すことの励みになるよう「大阪大学女性大学院生交流会優秀発表賞」を授与しています。

去る11月5日(金)に開催された交流会で選ばれた今年の受賞者4名に対し、12月20日(月)に本賞の表彰式が総長室にて執り行われました。本賞を受賞した女性大学院生に、西尾総長から表彰状と副賞の目録が手渡されました。続いて、この賞の実施にご尽力をいただいた本学名誉教授・元副学長の池田雅夫先生より、受賞者に向けて、お祝いと今後の期待の言葉が述べられました。

表彰式の後、西尾総長、池田先生、奈良理事、島岡副学長と受賞者との懇談の時間が設けられました。終始和やかな雰囲気の中、受賞者からは研究内容や自らが描く将来の研究者像などが述べられました。西尾総長、池田先生、奈良理事及び島岡副学長からは未来の女性研究者の活躍に期待と激励のメッセージが伝えられ、受賞者は研究者としての決意を新たにしていました。

 

◆2021年度 『大阪大学女性大学院生交流会優秀発表賞』受賞者の声

※所属・学年は受賞決定時(2021年11月時点)のもの
氏名 所属 学年
研究課題名
林 潤美

理学研究科 化学専攻 博士前期課程1年
金属イオンの酵素活性への影響
この度は女性大学院生交流会優秀発表賞を授与いただき誠にありがとうございます。思いがけない受賞に驚いたのと同時にたいへん光栄に思いました。より一層、研究活動に励みたいと思います。
私は、体内の遺伝情報を持つRNAを分解する働きを持つ酵素、RNaseHについて、反応メカニズムを明らかにする研究を行っています。具体的には金属イオンの酵素活性への影響について評価を行っています。今回の発表では、従来とは異なる新規の評価方法について発表致しました。大勢参加されている異分野の方にも理解していただけるように、研究背景や、目的、期待される応用例についての説明に主に時間を割き、丁寧に発表することを意識していきました。自分が興味のある研究内容について評価されたこと、大変うれしく思います。
最後になりましたが、ご指導いただきました先生方と、企業の方々と交流できる貴重な機会を作っていただいた大阪大学男女協働推進センターの皆様に心より感謝申し上げます。
竹村 美穂

薬学研究科 医療薬学専攻 博士課程2年
難治性がん疼痛に対する新規治療法の確立
この度は、女性大学院生交流会優秀発表賞を授与いただき誠にありがとうございます。
現在私は、難治性がん疼痛に対する新規治療法の確立に向けた臨床研究を行っています。痛みはがん患者における最大の身体的苦痛であり、強力な鎮痛作用を有するオピオイドを用いても緩和されにくい神経障害性疼痛(NP)の新規治療法が求められています。そこで、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を持つオピオイドのタペンタドールに着目し、NPを含むがん疼痛に対するタペンタドールの有効性を明らかにしました。
交流会では、発表時間が短いことや様々な分野の方に聞いていただくことを考え、研究の詳細な説明よりも、自分の研究が社会にどのような影響を与えるかを明確にイメージしていただけるよう心がけました。このような発表の工夫が認められ、優秀発表賞として評価いただきましたことを嬉しく思います。この賞を励みに、今後も難治性疼痛治療の発展に貢献していきたいと考えています。
小田 怜佳

工学研究科 マテリアル生産科学専攻 博士前期課程1年
摩擦攪拌プロセス施工鋼表層のWCツール構成元素固溶量に及ぼす鋼化学成分の影響
この度は、女性大学院生交流会優秀発表賞に選んでいただき、誠にありがとうございます。優秀な学生による多くの発表があった中で、このような賞をいただき驚きましたが、今後の研究活動への激励と受け止めているところです。
今回発表した研究では、FSP中のツール摩耗による固溶強化に着目し、被施工鋼種が固溶量へ及ぼす影響を明らかにすることを目的としました。FSP中の界面組織の観察と反応層離脱に関わる負荷荷重の測定を行い、固溶元素量の支配因子を明らかにする過程を説明しました。発表では、実験データの説明が中心だったので、観察や測定をおこなう意図を説明することで、研究の流れが専門外の方にも分かりやすいようにするよう心掛けました。
最後になりましたが、ご指導いただきました先生や研究室の方々、ご参加いただいた企業の方々、そしてイベントが開催しづらい時勢に、このような貴重な機会を設けていただいた大阪大学男女協働推進センターの皆様に感謝申し上げます。
前田 日向子

生命機能研究科 生命機能専攻 5年一貫制博士課程3年
マウス着床前胚の発生過程におけるYAP制御機構の解明
この度は大阪大学女性大学院生交流会優秀発表賞を授与していただき、誠にありがとうございます。思いがけない受賞に大変光栄に思うと同時に、身の引き締まる思いです。今後ともより一層研究に邁進していく所存です。
発表ではマウスの着床前胚発生における現象の機構解明について紹介いたしました。応用可能性の高い研究発表が多い中、基礎研究として私の研究の面白さを伝えることを意識しました。また、短時間で複雑な内容を伝えるためにイラストをメインにした発表資料の作製を心がけました。
交流会では普段知る機会のない様々な分野の最新研究に触れさせていただき、大変勉強になりました。
末筆ではございますが、これまでご指導いただいた佐々木洋先生と初期胚発生研究室のみなさま、また本交流会への参加を勧めていただいた甲斐歳恵先生にこの場を借りて深く御礼申し上げます。