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第4回大阪男女協働推進連携会議を開催しました

本事業では、産学官共創により女性研究者を育成するため、関西に拠点を置く企業・研究機関との連携体制を拡大・強化しています。令和元年7月2日(火)15時00分~17時10分に、本事業の実施機関である大阪大学、医薬基盤・健康・栄養研究所、ダイキン工業株式会社と、協力機関として参画いただいている企業・研究機関等で構成された大阪男女協働推進連携会議の第4回会議を大阪大学中之島センター 佐治敬三メモリアルホールにて開催しました。協力機関(26機関/令和元年7月現在)のうち23機関が出席、これまでの事業状況や今後の取組について活発な意見交換や情報共有が行われました。

会議の冒頭で、今回より新たに参画いただいた協力機関(アストラゼネカ株式会社)に、ダイバーシティの取組や本事業に参画いただいた背景などをご紹介いただいたあと、議長であり本事業の実施責任者である工藤眞由美理事・副学長から、事業報告として、3月に発表された中間評価でS評価を得たこと、また協力機関との取組として、パナソニック株式会社によるパウダールームとトイレの寄贈、シスメックス株式会社との包括連携契約の締結、キャタピラージャパン合同会社による第1回キャタピラーSTEM賞の創設(大阪大学工学研究科女性研究者の受賞)、文系分野初の産学クロスアポイントメントによるNTT西日本女性社員の受け入れ決定を報告しました。

続いて、株式会社カレイディスト代表取締役の塚原月子氏に「経営戦略としてのダイバーシティ&インクルージョン」をテーマに講演いただきました。塚原氏はマクロとミクロの視点からダイバーシティ&インクルージョンについて説明され、マクロの視点では、G20においてジェンダー平等と女性のエンパワーメントは持続可能で包摂的な経済成長に不可欠と認識されていることや、日本の国際競争力やジェンダーギャップ指数等が相対的に下がってきている現状を指摘。また、ESG投資の一つであるインパクト投資として、ジェンダー平等や女性の経済的エンパワーメントにプラスの効果をもたらすことを重視するジェンダーレンズ投資の紹介があり、国際的潮流として受け止めるべきと話されました。ミクロの視点からは、調査により、十分にマネジメントされたダイバーシティの高いチームは生産性が高いことや、インクルージョンがイノベーションをもたらすことが明らかになったことを示し、ダイバーシティ&インクルージョンがビジネスの結果へとつながるメカニズムを説明されました。塚原氏は組織において「異質な存在」を認め、その成長・貢献の後押しができているか今一度問うてみること、そして連携会議参加者が変革をリードして欲しいと期待を込めて伝えられました。

次に協力機関によるグッドプラクティスの発表がありました。日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員の曽和信子氏は、社内の技術研究職社員へのアンケートを実施した結果、男女とも管理職志向が低いことは同じだが、上司の期待を感じるかという問いに女性は男性に比べ「そう思う」と答える割合が半分であること、しかし、管理職になった女性はやりがいを感じリスクテイクする意識が高いという結果を紹介。上司はアンコンシャスバイアスにより、女性に対し活躍の機会を与えず、またそのような雰囲気を作っていないことを改めて認識したうえで、今後もダイバーシティ&インクルージョンを進める必要があると伝えられました。

株式会社マンダムからは、基盤研究所主事で産学クロスアポイントメントにより本学薬学研究科特任助教(常勤) である齋藤香織氏が、薬学研究科先端化粧品科学(マンダム)共同研究講座での免疫テクノロジー応用研究が新しい女性スキンケアの商品化につながったことを紹介。クロスアポイントメントの効果として、研究者ネットワークの広がりによる視野拡大、また企業に加え大学教員の立場を得たことで情報収集力や発信力、技術に対する信頼性、モチベーションが向上したことが報告されました。

続いて本学共創機構副機構長の金田安史副学長より、本学の産学連携の取組について紹介がありました。産業界との共創を通し、新たな社会的・学術的価値と新たなビジネスの社会への提供を可能にする連合組織体として「未来社会共創コンソーシアム(仮称)」の立ち上げを準備していることを紹介しました。

また意見交換の時間に、今年度の事業計画について説明がありました。本学では産学連携で未来を担う優秀な女子学生の育成に取り組む予定であること、共同実施機関であるダイキン工業との新規教育事業の実施について伝え、協力機関に協力や参加を呼びかけ、会議は閉会しました。