去る4月21日(金)14:00~17:00大阪大学吹田キャンパス銀杏会館において、文部科学省科学技術人材育成費補助事業(平成28年度~平成33年度)「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(牽引型)」(以下「ダイバーシティ事業」)による平成28年度の研究費支援に採択された女性研究者の研究発表会と交流会を開催しました。
この研究費支援は大阪大学のダイバーシティ事業がめざす女性研究者の産学官連携による循環型育成のための第1歩として、連携機関との共同研究を率いる女性研究者や、今後新たな共同研究のリーダーとなるべき女性研究者の研究活動を支援する目的で公募を行い、共同研究5件、女性研究者17名を採択しました。採択者の中には助教から准教授への昇任や、他大学で教授のポストを得るなどキャリアアップをされた例があり、研究力を持った女性研究者への支援が、研究活動における女性リーダーの数を増やすことにつながる可能性を示唆しています。それぞれの研究課題名および研究実績概要は下のリンクからご覧ください。
発表会ではそれぞれがスライドを用いて研究内容の概要や今後の課題について説明するほか、女性研究者育成についても、それぞれの経歴を通して語ってもらいました。研究テーマは多岐にわたるユニークなものでしたが、文系から理系への転向や出産・育児など、一人ひとりの研究者としての歩みも多種多様。各々5~7分という短時間のプレゼンテーションでしたが、参加者たちは大きな関心を持って互いの発表を聞いたようです。
続く交流会では、これからの大阪大学での女性研究者育成について、アイデアや意見を交換しました。学内でもこれほど多分野の自然科学系女性研究者が一堂に会する機会は少ないため、継続的に交流の機会がほしいという要望のほか、女性が少ない理工系分野では情報共有できる横のつながりが乏しいこと、女性が比較的多い医歯薬系分野では男性の意識改革が遅れていることなどの課題も提出されました。ダイバーシティ事業の実施責任者である工藤眞由美理事は、今日集った女性研究者たちが自主的にネットワークを作り発展させることへの期待を述べたうえで、「定期的な交流には、吹田キャンパスに今秋竣工する新棟のコラボレーティブスペースをぜひ活用してください。また、学生、中高校生のロールモデルとなるべく、自らの経験を通したメッセージを発信してほしい。大阪大学が推進するダイバーシティには様々な目標があるが、女性研究者の育成と活躍促進はその試金石となるもの。前進させていきましょう」と呼びかけました。