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男女協働推進センターと部局の共同開催セミナー 平成30年度のシリーズが終了しました

平成30年度「男女協働推進に係るセミナー等開催に対する部局支援」に採択された5つのセミナーは、すべて終了しました。それぞれの開催内容について、報告いたします。


◆「男女協働推進のためのFD研修」
平成30年11月15日(木)16:00~17:00 @国際公共政策研究科棟6階 会議室
国際公共政策研究科との共同開催。京都産業大学ダイバーシティ推進室長で本学名誉教授でもある伊藤公雄教授を講師に迎え、国際公共政策研究科教授会メンバーを対象に実施しました。「日本の学術分野におけるジェンダー課題をめぐって」と題して、学術におけるジェンダー研究、国際社会とジェンダー平等への流れ、ジェンダー視点が変える科学技術のイノベーション、日本の現状や変化が求められている男性主導の組織について、事例やデータを基に講演、活発な質疑応答も行われました。参加者は21名(うち女性1名)。

◆「女性科学者サミット@阪大豊中」
平成30年11月19日(月)13:00~18:00 @理学J棟2階 南部陽一郎ホール
理学研究科、基礎工学研究科との共同開催。本イベントは最先端の研究を進めている女性研究者が研究やキャリア形成を紹介、ロールモデルとして示すことで、学生や若手研究者を勇気づけるとともに、女性研究者による研究交流やネットワーク作りを目的に開催しました。ゲストに男女共同参画推進にも精通されている東京大学物性研究所所長の森 初果教授を講師に迎え、『「モノとヒトの多様性」~有機伝導体および磁性体の化学と物理から~』と題した基調講演が行われ、キャリア形成における男女雇用機会均等法の重要性も話題にのぼりました。続いてクロスアポイントメント制度を利用し、本学に所属しているサントリー生命科学財団、横浜国立大学、大阪府立大学の女性研究者を含む12名の女性研究者(理学研究科、基礎工学研究科)も各々のテーマで講演しました。サミット終了後の意見交換会では、女性ならではのライフイベントと研究の両立を実現する「働き方」「働きやすい環境」について参加者と意見を交換、性別や分野を問わず活発な研究交流や情報交換が行われ、盛況裡に終了しました。参加者は70名(うち女性50名)。

◆「アンコンシャス・バイアスに関するFD研修会」
平成31年1月10日(木)17:30~19:30 @文学研究科 大会議室
文学研究科との共同開催。文学研究科教授会メンバーを対象に大坪久子氏(日本大学薬学研究所、上席研究員)を講師に迎え、本研修会を行いました。文学研究科ではハラスメント問題委員会を設置し、各専門分野に相談員を設置するとともに、研究科独自で「STOP ALL HARASSMENT やめよう・とめようハラスメント」なる冊子を作成、講習を実施するなど手厚くハラスメント対策を行っている中、本セミナーでは講師の経験やデータを基に、大学や研究機関において平等であるはずの様々な選考に性別の偏りが生じていることを取り上げ、「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」が働いていることを指摘。「無意識(潜在的)の偏見」は誰もが持っており、自覚できないために自制することが不可能な上、特に女性や社会的少数派に対して不利益に働くことが研究結果から証明されていることから、「優秀な人材が不採用になった場合には、組織にとっても大きな損失であり、この影響を最小限に留めるために、このバイアスをよく知り、平等から公平へと意識を変えていくことが大切である」と講演を結びました。参加者は75名(うち女性12名)。

◆JWRI女会第2回セミナー「心のささやきを聴こう」
平成31年1月23日(水)13:00~15:00 @接合科学研究所 荒田記念館
接合科学研究所、高等教育・入試研究開発センターとの共同開催。名越康文氏(精神科医)を講師に迎え、女性教職員・学生の会「JWRI女会」の第2回セミナーとして開催しました。講演に先立ち、接合科学研究所の南 二三吉所長より、本セミナーが男女協働推進の一環であることを説明。講演では、名越氏が長年研究されてきた「体癖論」の概要と、過去の診断実績も含めながら、分類される10種の特徴を紹介、次にその理論を体系化した名越氏監修の「類人猿診断」を使って、自分のタイプをオランウータン・ゴリラ・チンパンジー・ボノボの4種からチェックし、人を猿人類の生態や特徴で分類する性格診断を体験しました。これは企業の研修でも使われており、自分や他人に当てはめて性格傾向を知ることで、組織や家庭において円滑なコミュニケーションが取れる方法をレクチャーされました。質疑応答では個々の能力が存分に発揮できる教育環境や職場環境の構築のための多数の質問に、時折笑いを交え答えていただきました。参加者からは「人間関係で悩んでいたが、受講して気持ちの持ち方が変わった」「就職活動の自己分析で悩んでいたので、見方を変えてみたい」「このセミナーが新任教員研修の一部になると良い」など、前向きな感想が多く寄せられました。参加者は75名(うち女性56名)。

◆第90回 産研テクノサロン
平成31年2月8日(金)13:00~18:30 @産業科学研究所 管理棟講堂
産業科学研究所との共同開催。 「産研テクノサロン」は1998年から年4回開催しているサロンで、最新の研究成果と技術開発を中心とした講演会と親睦交流会で構成されています。今回は「活躍する女性研究者・起業家」をテーマに、科学技術分野で男女協働推進を目指すため、各分野の第一線で活躍されている女性リーダーから忌憚のない意見を伺い、問題意識と解決に向けた指針の共有を目的として開催しました。本事業の実施責任者である工藤眞由美理事・副学長と菅沼克昭産業科学研究所長よる開会挨拶の後、ポーラ・オルビスホールディングス執行役員(グループ研究・知財・薬事センター担当)でマルチプルインテリジェンスリサーチセンター所長である末延則子氏、大阪大学産業科学研究所の服部 梓助教(JST・さきがけ研究員(兼任))、奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 物質創成科学領域の山田容子教授、株式会社トライフルCEOの久野華子氏の4名がそれぞれ講演に登壇し、最新の研究成果や企業方針に加え、女性が大学研究や産業界で活躍するためのノウハウ、苦労談、活躍できる女性を増やすために社会全体が改善すべき点などを語りました。参加者は82名(うち女性31名)。